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令和4年度施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年2月17日更新

令和4年度施政方針

 本日ここに、第454回白石市議会定例会が開催されるにあたり、ご審議いただきます諸議案の説明に先立ち、令和4年度の市政運営に対する基本方針について、所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆さんのご理解とご協力をたまわりたいと存じます。

 令和2年から全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、本市においても市民の健康や生活、地域経済活動など、あらゆる面において甚大な影響を及ぼしています。

 こうした事態に対処するため、本市では「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用して、著しく落ち込んだ市内経済活動を改善するための「新型コロナウイルス経済対策割増商品券事業」、外出自粛による利用者の落ち込みが懸念される宿泊事業者を支援する「宿泊事業者応援事業」、中小事業者の事業継続を支援する「事業継続支援金給付事業」、保育園や幼稚園、小中学校、観光施設、公共施設において感染拡大防止の対策を行うなど、「市民生活への支援」「雇用の維持と事業の継続」「感染拡大防止」を柱とした支援策に取り組んでまいりました。

 令和3年9月末をもって、全国の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は一旦、すべて解除され、行動制限も段階的に緩和されましたが、令和4年1月から再び感染拡大の傾向が顕著となり、本市においても、これまでの状況を上回る感染拡大が続いています。

 そのような中、令和3年4月に一般向けに開始したワクチン接種事業では9割を超える市民の皆さんに接種をしていただき、3回目のワクチン接種については、当初の予定を前倒しして、すでに「集団接種」を開始しているところです。市民の皆さんの暮らしと経済における新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に食い止められるよう、白石市医師会をはじめ関係機関と連携し、引き続き感染症の拡大防止とウィズコロナ下での社会経済活動の継続などに市職員一丸となって取り組んでまいります。

 さて、令和4年度は、「第六次白石市総合計画」の2年目となります。引き続き本市の目指す将来像「人と地域が輝き、ともに新しい価値を創造するまち しろいし」の実現のため、市民一人一人がその個性や能力を発揮しながら、地域づくりの担い手として活躍するとともに、新たな視点でさまざまな地域資源や魅力を発見し、育て、高め合うことで、新しい価値を創造し、まちへの誇りと愛着を持って暮らしていくことができるまちを目指します。

 また、地域共生社会の実現に向けて、市民一人一人の暮らしや生きがい、地域をともに創っていくことを目指したまちづくりを推進します。

 さらに、「白石市まち・ひと・しごと創生『第2期総合戦略』」に基づき、「第六次白石市総合計画」との整合性を図りながら地方創生をさらに深化させ、本市の目指す将来像を実現するための施策を推進します。人口減少や少子高齢化、安全・安心への関心の高まり、社会経済情勢の変化、地域社会ニーズの多様化、持続可能な社会の実現など、まちづくりを取り巻く環境は大きく変化していますが、市政課題を先送りすることなく、本市が持続可能なまちであり続けるために、市民の皆さんと力を合わせて、新しい時代のまちづくりに積極果敢にチャレンジしてまいります。

 以下、「第六次白石市総合計画」に掲げる6つの分野目標に沿って、主な施政の概要をご説明します。

 

人・文化を育む

 はじめに、「第六次白石市総合計画」の1つ目の分野目標の「人・文化を育む」です。

 本市では、これまでにない速さで人口減少・少子高齢化が進行していることから、保育や学校教育のあり方を総合的に検討する「学校教育・保育審議会」を設置し、生涯にわたる一人一人の可能性を最大化し、確かな学力や豊かな心、健やかな体の育成を図るための方針を審議いただくこととしています。今後は、その答申を踏まえ、これからの本市の学校教育・保育のあり方を検討します。

 また、令和3年4月27日、安全でなければならない学校で痛ましい事故が発生しました。二度と同じような事故を起こさないよう再発防止を徹底し、児童生徒の安全確保に取り組みます。

 学校教育の充実は、令和元年度から取り組んできた教育改革をさらにもう一歩前に進める、第2ステージを目指します。

 教育課題の解決や取り組みのさらなる発展に向け、文部科学省職員の知見を活用するため、「地方教育アドバイザー」の派遣を申請するとともに、児童生徒が学校や家庭において、国や地方自治体などの公的機関が作成した問題をオンライン上で学習・アセスメントができる「文部科学省CBTシステム(MEXCBT(メクビット))」を導入し、教育分野のDXを推進します。

 また、「学力・学習状況調査」を通した児童生徒個人の学力の伸びの把握や、「非認知能力・学習方略」の育成などによる学力向上に向けたこれまでの取り組みは継続しつつ、本市のすべての子どもたちが将来の夢や志を叶える力を身につけられるよう、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の規定に基づく「不登校特例校」の早期開校に向けた準備を進めるとともに、ICTや教育支援センターなどの施設を効果的に活用し、教育機会の確保を図る方策を推進します。

 さらに、GIGAスクール構想に伴い整備した1人1台のタブレット端末や通信環境などを有効活用して、授業の質を高めていくとともに、オンラインによる国際交流を計画的に実施し、令和3年度からスタートした「英語特区」の取り組みをより一層充実させます。

 地域・家庭の教育力の向上は、地域学校協働本部を中心に、地域・家庭・学校が連携して、未来を担う子どもたちを見守り、支えながら、子どもたちの次世代を生き抜く力を育むとともに、地域学校協働活動に関わる地域住民や各種団体の主体性・自主性を育み、地域全体の教育力の向上と地域力の活性化を図ります。

 生涯学習・スポーツの推進は、公民館を拠点に豊かな社会生活を送ることができるよう、市民の興味や関心に応じた学びを支援します。市民の皆さんが地域の課題に気付き、仲間とともに学び、課題の解決に向けた行動につなげていけるような共同学習を支援し、住民自治力を育みます。

 豊かな社会生活を送るうえで、一人一人が自らの興味や関心、体力に応じて学び、スポーツに親しむことは将来における人・文化の育みにとって重要な事項の一つです。このため、既存のスポーツ関連資源を活用するとともに、新たにグラウンド・ゴルフ場を整備するなど、生涯スポーツを楽しむことができる環境の充実を図ります。

 歴史遺産・伝統文化の継承と活用は、本市の貴重な歴史遺産・伝統文化を観光やまちづくりなどの面において、魅力を発信できる重要な資源としてだけではなく、地域の個性や独自性、アイデンティティを示すものと捉え、地域の歴史遺産・伝統文化を掘り起こし、市民に対して魅力を発信する取り組みを進めます。取り組みを進めるにあたっては、子どもから働き盛り世代が参加しやすい活動形態を意識し、シビックプライド(地域への誇りと愛着)の向上を図ります。

 

みんなで地域づくりを進める

 次に、2つ目の分野目標の「みんなで地域づくりを進める」です。

 持続可能な多機能型自治の形成は、自治会やまちづくり協議会の機能・経営基盤の強化を支援するとともに、地域おこし協力隊や生活支援コーディネーターなど、地域マネジメントをリードする人材の育成に努めます。 

 また、多機能型自治を促進するための研修会の開催や関係者の相互交流機会の創出を図ります。

 協働のまちづくりの推進は、各地区で策定した「まちづくり宣言」の実現を目指すことで、地域づくり人材の育成や住民自治力の向上を図り、持続可能な地域づくりを推進します。

 また、まちづくり宣言の実施計画である「地区計画」の策定を支援するとともに、現在の「まちづくり交付金制度」に替えて、「地区計画」を策定した地区が活用できる新たな交付金制度として「人と地域が輝く未来共創交付金制度」を創設し、地域住民の皆さんが思い描く地域の将来像の実現を支援します。

 市民と行政の情報の共有化は、従来の紙媒体による広報紙の発行に加え、SNSなどさまざまな媒体を活用し、定期的な情報発信を効果的に行うとともに、市民が積極的に市政に参画し、意見を出すことができる多様な機会の充実を図ります。

 持続可能な行財政運営は、国が策定した「自治体DX推進計画」に基づき、地方自治体の業務のあり方がデジタル技術の活用により変化しようとする中、本市においてもデジタル化を推進することで、効率的で効果的な事務事業の実施を推進するとともに、厳しさを増す地方財政の中、自主財源の確保に努め、地域の特性や抱えている課題を踏まえた重点的な施策の推進を図ります。

 中でも、自主財源の根幹である市税は、市民負担の公平・平等性を確保するため、適正な課税を行うとともに、収納率の向上を目指し、今後も滞納処分の早期着手に努め、財産調査や差押えなどを進めることで新規滞納者の発生を防ぎ、累積滞納額の縮減を図ります。

 自主財源の確保策となる「ふるさと納税寄附金」は、利便性の向上や返礼品の充実、手続きの効率化を図るとともに、白石市の魅力を発信するシティプロモーションと捉え、より多くの方々に白石市を継続して応援していただきながら、交流人口や関係人口の拡大にもつながるよう努めます。

 自治体が行う地方創生事業に対し寄附を行った企業に、税負担の軽減措置が与えられる「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)制度」は、地方への資金の流れをつくり、地方創生の充実・強化が図られるものであることから、本制度を積極的に活用していただけるよう企業に働き掛けを行い、寄附の獲得に努めます。

 また、昭和55年度から現地調査を開始した地籍調査事業は、令和3年度に予定していた地区の調査を終え、令和4年度に事業完了となります。地籍調査の成果は、土地をめぐるすべての行政活動・経済活動の基礎を築くものであることから、土地取引の円滑化や行政の効率化に生かします。

 さらに、長期的観点での財政負担の縮減や平準化を図るため、「公共施設等総合管理計画」に基づく「個別施設計画」の推進と検証を進め、効率的で効果的な公共施設の運営を図ります。

 加えて、厳しい財政状況下においても効率的で質の高い行政サービスの実現を目指すため、既存の業務内容や業務フローなどを見直すことを目的に実施した全庁業務量調査の結果を踏まえ、業務分析や施策検討、施策実施につなげ、業務の再設計を図ることで業務の効率化や経費の節減・合理化などを推進し、選択と集中によるメリハリのある行財政運営に取り組みます。

 社会の変化に対応できる職員の育成・確保は、令和3年度から開始した「メンター制度」を継続し、職員育成強化に努めるとともに、地域社会を取り巻く環境の変化に迅速かつ的確に対応できるよう、さまざまな専門的知識を持つ外部有識者の協力もいただきながら、地域課題の解決に取り組みます。

 

暮らしをともに支え合う

 次に、3つ目の分野目標の「暮らしをともに支え合う」です。

 地域福祉の推進は、令和3年度から令和7年度までの5カ年を計画期間とする「白石市地域福祉計画」に基づき、地域福祉を構成する地域住民や社会福祉協議会などの関係団体との連携体制を確保・強化し、引き続き協働の仕組みづくりを推進します。

 子ども・子育て支援の充実は、令和3年4月の白石みのり保育園の開園、ひかり幼稚園の認定こども園移行により、平成26年度からの課題であった保育園の待機児童は解消されましたが、今後は出生数がさらに減少することが予想されるため、「学校教育・保育審議会」の答申を踏まえ、これからの保育のあり方について検討します。

 また、妊娠期から子育て期までの切れ目のない包括的な支援と、子どもの健やかな成長を育むため、「子育て世代包括支援センター」を拠点として母子保健事業の充実を図るとともに、オンライン相談や電子母子手帳アプリの利用を促進することで、育児不安の解消や虐待予防などに取り組み、母子保健と子育て支援の各種施策を一体的に提供します。

 さらに、乳幼児期における障害の早期発見・早期治療を目的として、聴覚障害を発見するための「新生児聴覚検査費用助成事業」を新たに実施するとともに、「3歳6カ月児健康診査事業」に目の異常を発見するための「屈折検査」を導入し、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりをより一層推進します。

 「子ども医療費助成事業」は、宮城県の補助基準を超える助成を独自に実施し、引き続き通院・入院とも所得制限を設けることなく中学3年生まで医療費の助成を行うことで、子育て家庭の経済的負担の軽減と子育て環境の充実を図ります。

 加えて、「子どものインフルエンザ予防接種費用助成事業」は、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行を避けるため、助成対象者を拡大しているところであり、令和4年度も引き続き生後6カ月から中学3年生まで対象者を拡大して予防接種費用の助成を行います。

 安心して子育てができる環境の整備は、令和4年度から、南保育園や第二幼稚園での「一時預かり事業」や「ファミリーサポートセンターの利用料助成事業」を実施することで保護者の経済的負担を軽減し、子どもを産み育てやすい環境整備を図ります。

 また、子育て支援・多世代交流複合施設「こじゅうろうキッズランド」は、令和3年11月には、開館3年目で来館者20万人を達成し、世代を超えた交流が図られていることから、引き続き指定管理者との連携を深め、感染症対策を徹底しながら利用者拡大に努めます。

 さらに、東大畑地区の「子育て応援住宅」は、「白石市子育て応援住宅基金」を活用した「白石市子育て応援住宅入居者向け定住促進補助金」による住宅取得支援を継続し、子育て支援と定住促進を図ります。

 高齢者福祉の充実は、令和6年度からの3カ年を計画期間とする「白石市高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画」の策定に向け、アンケート調査を実施し、在宅介護の実態や日常生活におけるニーズを把握し、令和5年度の計画策定に向けて取り組みます。

 また、コロナ禍で自粛していた高齢者の介護予防運動などの再開や社会参加の機会として、「いきいき百歳体操通いの場」の運営を継続して支援し、誰もが気軽に楽しく取り組めるよう、より一層の介護予防の推進を図ります。

 さらに、「いきいき百歳体操通いの場」に、理学療法士や歯科衛生士などの専門職を派遣し、一人一人に合わせた体の動かし方や口腔機能に関する助言を行い、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう支援します。

 障がい者福祉の充実は、障がいのある人が自分らしく生きるため、自立と社会参加を支援することを基本理念とした、令和3年度から令和5年度までの3カ年を計画期間とする「第6期白石市障害福祉計画」「第2期白石市障害児福祉計画」に基づく各種施策により引き続き支援の充実を図ります。

 地域医療体制の充実と健康づくりの推進は、安心できる地域医療体制の確保のため、白石市医師会や仙南歯科医師会白石支部とさらなる連携を図るとともに、安全・安心な医療の提供体制強化に努めます。

 公立刈田綜合病院は、みやぎ県南中核病院との連携を推進しながら経営健全化を目指し、地域医療の充実を図ります。

 国民健康保険事業の効率的運営は、被保険者が減少する中での「保険税水準の統一化」などの課題に関する協議を、県や県内他市町村とともに継続して行います。

 また、1人当たりの医療費は増加傾向が続いていることから、適正受診や適正服薬、ジェネリック医薬品の活用の周知など、医療費の適正化に努めます。

 さらに、被保険者の健康の保持・増進を図るため、「人間ドック費用助成事業」の周知や特定健診・保健指導の受診勧奨と啓発に努めるとともに、糖尿病性腎症の重症化予防に取り組みます。

 疾病の早期発見・予防は、これまで実施している各種検診、健康教育・健康相談事業を継続して実施するとともに、「造血幹細胞移植後ワクチン再接種費用補助金」や「医療用ウィッグ購入費助成事業」を継続実施し、がん患者の治療と社会参加の両立を支援します。

 主体的な健康づくり活動の推進は、保健事業推進員や食生活改善推進員などの健康づくりに関わる皆さんとともに、正しい食生活と運動習慣の啓発活動を行い、生活習慣病の抑制を図ります。

 

安全・安心を守る

 次に、4つ目の分野目標の「安全・安心を守る」です。

 防災・減災対策の充実は、「白石市地域防災計画」に基づき、東日本大震災や令和元年東日本台風などの災害を教訓として、さらなる防災体制の充実に努めるとともに、地震や台風、集中豪雨などのさまざまな災害への対応に万全を期し、災害に強い安全・安心なまちづくりを進めます。

 また、災害時の迅速な情報収集・情報伝達の強化に努めるとともに、今後、宮城県から公表される「中・小河川洪水浸水想定区域」を踏まえて、ハザードマップの改定に向けた取り組みを進め、避難所や危険区域などの周知徹底を図り、市民の安全確保と防災意識の高揚に努めます。特に、「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」周辺に防災機能を備えた「道の駅」や「スポーツレクリエーション拠点施設」の整備に着手し、地域の安全・安心を高めます。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて、避難所における感染症対策の徹底を図り、災害発生時に避難を要する住民の安全・安心を確保する必要があることから、「避難所開設・運営マニュアル」に基づく円滑な避難所の開設・運営に努めます。

 交通安全・防犯対策の充実は、交通ルールの遵守やマナー向上を図るため、引き続き交通安全関係団体と連携し、交通安全指導を実施するとともに、子どもや高齢者の交通事故を未然に防止するため、交通安全教室の開催や交通安全キャンペーンなどの啓蒙活動を拡充します。

 地域における防災力の強化は、市民一人一人が「自らの命は自ら守る」という意識を持ち、「自助」である災害への備えと、「共助」である地域住民同士での助け合いが災害発生時に被害を軽減するためには必要不可欠であることから、引き続き自主防災組織への支援を継続するなど地域防災力の向上を目指します。

 消費者行政の推進は、複雑化・多様化する消費生活相談に対応するため、消費生活相談員の知識と技能習得を支援し、相談対応機能の向上を図るとともに、特殊詐欺や悪質商法などの被害を防止するため、広報紙やSNSなどを活用した情報提供と世代に応じた啓発活動に努めます。

 

活力・賑わいを創る

 次に、5つ目の分野目標の「活力・賑わいを創る」です。

 農林業の振興は、農林業従事者の高齢化率が高く、今後、人口減少・少子高齢化が進む中で、労働力不足が予想されることから、共同利用機械の活用により作業の効率化を推進します。

 また、飼料用米への作付転換を支援し、「耕畜連携」を推進することで農家の所得向上を図るとともに、農用地の効果的な利用と農地の流動化を図るため、「実質化された人・農地プラン」を基に「農地中間管理事業」による農地集積を推進し、生産基盤の強化と耕作放棄地の発生防止に努めます。

 農林産物の高付加価値化は、「宮城白石産ササニシキ復活プロジェクト」を引き続き支援するとともに、「白石三白野菜」をはじめとする農林産物のブランド化を推進します。

 また、農産物等販売施設「おもしろいし市場」は、平成31年4月のオープンから令和4年1月末までの期間で110万人を超える方々に利用いただいており、農業生産者や物産事業者にとって販路拡大を実感できる施設として好調な運営を維持しています。令和3年4月から、民間事業者のノウハウや経営手法を活用する指定管理者運営施設として新たにスタートしており、今後も、自立した運営と維持管理を図るとともに、地域食材の魅力を発信するため、「しろいし Sun(サン)Park(パーク)」内にある地元食材活用レストラン「みのり Kitchen(キッチン)」と食の安全や栄養成分を調査分析する研究施設「みのり Labo(ラボ)」、6次産業化加工施設「みのり Factory(ファクトリー)」と連携して安全・安心な食づくりを推進します。今後一層の農林業の振興と6次産業化の促進を図るため、施設ごとの魅力の向上に取り組むことでさらなる賑わいの相乗効果を生み出し、市全体にさまざまな波及効果が広がるよう、各施設との連携を推進します。

 森林の保全は、森林環境譲与税などを活用し、森林資源の維持や多面的機能の持続的発揮・促進を図ります。

 有害鳥獣対策は、野生イノシシによる農林作物への被害がいまだに大きいことに加え、令和3年12月には、野生イノシシが媒介したと推測される特定家畜伝染病である「豚熱」による甚大な被害が発生しました。今後も捕獲による個体数の調整を行うとともに、電気柵などの設置や箱わな製作への補助を継続し、被害防止対策の強化に努めるとともに、防疫体制の強化を図ります。

 商工業の振興は、新型コロナウイルス感染症の影響により市内経済は非常に厳しい状況にありますが、引き続き白石市企業立地促進条例に基づく企業立地優遇制度により投資を促進するとともに、既存企業に対する情報提供やサポート体制の強化など事業活動支援の充実を図ります。

 また、製造業を中心とした企業誘致を推進するため、企業の投資環境の回復状況を見極めながら、企業立地セミナーへの参加や企業訪問などを通じてトップセールスを行い、本市の企業立地環境や投資環境の優位性などを積極的にPRします。

 賑わいのある商店街の再生は、商店会などが行う中心商店街活性化事業への助成や各種観光施策との相乗効果により、賑わいの創出を図ります。

 中小企業の経営支援は、「白石市中小企業振興資金融資制度」を活用して中小企業の経営安定化や振興発展に努めるとともに、信用保証料を補給することで負担軽減を図ります。

 さらに、特産品・伝統産品の振興として、白石温麺や白石和紙、弥治郎こけしなどの特産品・伝統産品の販路拡大や、継承・発展に対する取り組みを支援します。

 観光の振興は、コロナ禍で注目されるようになったマイクロツーリズムやアドベンチャーツーリズムなど、新たな観光の形を取り入れながら、本市の特性である豊かな自然環境を生かした観光コンテンツの造成を目指すとともに、甲冑試着体験などこれまで取り組んできた歴史的資源を活用した観光コンテンツの磨き上げを行い、さらなる誘客促進を図ります。

 広域観光の推進は、これまで継続してきた蔵王周辺地域の市町との連携に加えて、サイクルツーリズムなど、テーマに基づく広域連携を強化し、本市とその周辺地域を周遊する観光客の増加を目指します。

 インバウンドの推進は、令和3年度まで、東北観光復興対策交付金を活用して整備した観光コンテンツと併せて、外国人観光客の受入環境が整っていることを広くPRし、外国人観光客に選ばれる観光地となるよう情報発信を強化します。

 さらに、インフルエンサーである観光大使・アンバサダーによる本市の観光資源やイベントなどの紹介、宣言活動を展開し、交流人口・関係人口の拡大を図ります。

 雇用・就労支援の充実は、「白石市創業支援等事業計画」に基づき、関係機関と連携し「創業塾」の開催などにより創業を後押しするとともに、商店街再生にもつながる「空き店舗等対策事業補助金」の活用などを通して創業を目指す方々への支援を行います。

 交流活動の促進は、次世代を担う青少年のスポーツ・文化活動などを通した登別市・海老名市・札幌市白石区との姉妹友好都市交流を、白石市姉妹友好都市交流協会と連携しながら推進します。

 また、国際交流は、オンライン形式などコロナ禍に対応した交流を推進します。

 移住・定住の促進は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に地方移住への関心が高まる中、引き続き「定住者補助金」「新婚家庭家賃補助金」などの住宅支援事業を継続するとともに、「白石市移住交流サポートセンター」を中心に、移住・定住に係る相談活動や移住体験住宅の活用を図り、地域住民・移住者・若者世代などの交流の場づくりを促進します。

 また、地域おこし協力隊制度を活用し、ワーケーション事業の推進や人材育成・研修プログラムの開発を行い、首都圏などの企業や個人を対象に試行的なイベントを開催しながら関係人口の拡大を図り、移住・定住につなげます。

 

まちの未来を描く

 最後に、6つ目の分野目標の「まちの未来を描く」です。

 豊かな自然環境の維持は、地球温暖化対策の推進として公共施設の照明LED化や温室効果ガス排出量算定システムなどによる排出量の管理を行い、温室効果ガスの削減に取り組みます。

 「第3次白石市環境基本計画」に基づき、本市が目指す環境の将来像「水と緑を誇るまちしろいし」を実現するため、市民協働のもと、豊かな自然環境の保全と生活環境の向上を図るとともに、持続可能な循環型社会の構築に努めます。

 また、「カーボンニュートラル」「脱炭素社会」の実現に向けて、再生可能エネルギー導入の検討など、本市の取り組むべき課題を整理して、かけがえのない豊かな自然環境を維持し、将来にわたり、安全で安心して暮らしていくことができるよう令和32年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指します。

 放射能対策は、現在も除去土壌などの除染廃棄物を保管していることから、引き続き埋設箇所と仮置場の適切な維持管理を行うとともに、国の責任のもとに除染廃棄物を早急に処分するよう、強く求めてまいります。

 空き家対策の推進は、「白石市空家等対策計画」と合わせて、引き続き「空き家バンク制度」の周知と活用を図りながら、空き家などの適切な管理の促進や有効活用を進めます。

 利便性の高い公共交通網の確保は、通院や買い物など市民の日常生活の移動手段となる市民バスや乗合タクシーの運行を継続し、より効率的で効果的な運行に努め、引き続き便利で快適なまちを目指すとともに、新たな本市公共交通のマスタープランとなる「白石市地域公共交通計画」の策定に取り組み、利用実績や市民ニーズの調査・分析を行い、将来にわたって市民が安心して暮らし続けることができる公共交通の確保に努めます。

 快適な生活環境の構築は、「白石市水道ビジョン」に基づき、良質な水の安定供給のため、適正な施設管理を継続して進めるとともに、少人数での運営体制に対応するため、民間事業者の積極的活用を図ります。

 また、老朽化した水道施設の耐震化を図るため市道中央通り線の配水管更新工事を行うほか、都市計画道路中河原白石沖線の整備に伴う配水管の移設工事を行います。

 さらに、大鷹沢大町地区や福岡深谷八森(はちもり)地区では、令和3年度から配水池を使用しない新たな配水方式に切り替え運用を開始したことから、宇当坂ポンプ場と若林配水池、八森ポンプ場、八森配水池の撤去を行うなど、施設のダウンサイジングと統廃合を進めます。

 下水道事業は、長寿命化工事としてマンホール蓋の更新工事を進めます。

 また、「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」周辺の未普及エリアを解消するため、公共下水道の事業認可変更を行うほか、都市計画道路中河原白石沖線の整備に合わせて排水管の移設工事を行うなど、今後も引き続き水質の保全に努めるとともに、施設の効率的な維持管理と更新を進めます。

 上下水道事業は、人口減少による収益の減少と施設更新による費用の増加により経営は厳しい状況にあります。今後も経営基盤の強化に取り組み、料金体系のあり方を検討するとともに、事業の合理化・効率化を図るため県内や仙南地域での広域化・共同化の検討を行い、広域連携を積極的に推進します。

 また、災害時においても業務を継続し、速やかに復旧するための「業務継続計画」を策定します。

 魅力ある都市空間の整備は、市中心部の交通ネットワーク機能の強化と通学路の安全確保を図るため、平成30年度から都市計画道路中河原白石沖線事業に着手しており、令和5年度の完成に向けて、引き続き道路の改築工事を促進します。

 公園施設長寿命化対策支援事業では、令和2年度から着手した益岡公園テニスコート関連施設の改修工事を継続して進め、施設の長寿命化と一時避難所としての機能強化を図るため、早期完成を目指します。

 

人と地域が輝き、ともに新しい価値を創造するまち しろいしへ!

 以上、令和4年度の施政の概要を申し述べさせていただきました。

 近年、国内外でさまざまな気象災害が発生しています。令和元年東日本台風は、本市において観測史上最大の降雨量を記録し、市内各所に甚大な被害をもたらしました。これから本市が目指す「カーボンニュートラルの実現」は、気候危機回避のため誰もが無関係ではなく、あらゆる主体が積極的に取り組む必要があります。

 また、「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」とその周辺施設の早期供用開始は、新たな企業誘致や既存企業の活動支援をはじめ、中心市街地の活性化や観光振興、地域医療の充実、災害時の安全確保など、さまざまな相乗効果が期待できる「地域活性化の起爆剤」であり、地域経済の発展、市民サービス向上の好循環創出につながるものと確信しています。「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」の整備効果を最大限享受できるよう、一般国道4号の4車線化延伸の実現とともに関係機関と連携しながら力強く推進してまいります。

 最後に、公立刈田綜合病院の経営健全化は、本市の財政に与える影響が非常に大きく、市民サービスに直結する大きな課題となっています。病院は、本市のみならず仙南医療圏の一翼を担う重要な拠点施設です。その使命を忘れることなく仙南医療圏に一日たりとも空白を生じさせることがないよう、目の前の課題に向き合い、市民の皆さんから信頼される病院であり続けるため、経営改善に全力を傾注してまいります。

 「第六次白石市総合計画」の計画期間において、本市は大きく飛躍するチャンスを手にしています。令和4年度は、そのチャンスを現実のものとし、将来の子どもたちに誇れる「ふるさと白石」を残すことができるよう、「第六次白石市総合計画」に掲げた「ひとづくり」「地域力の向上」「新しい価値の創造」を基本的視点として、シビックプライドを育むまちづくりを推進し、本市の目指す将来像「人と地域が輝き、ともに新しい価値を創造するまち しろいし」の実現を目指すとともに、本市が持続可能なまちであり続け、「選ばれるまち白石市」となるよう全力で取り組んでまいります。

 今後とも、議員各位をはじめ市民の皆さんの市行政全般に対するなお一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、所信表明といたします。