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令和5年度 決算審査の結果 一般・特別会計

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年10月8日更新

1.審査の対象

一般会計

(1) 令和5年度白石市一般会計歳入歳出決算

特別会計

(1) 令和5年度白石市国民健康保険特別会計歳入歳出決算
(2) 令和5年度白石市介護保険特別会計歳入歳出決算
(3) 令和5年度白石市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算

財産に関する調書

基金の運用状況

(1)  白石市財政調整基金
(2)  白石市奨学資金貸付基金
(3)  白石市国民健康保険事業財政調整基金
(4)  白石市土地開発基金
(5)  白石市肉用牛貸付基金
(6)  白石市高額療養費貸付基金
(7)  白石市郷土資料館建設基金
(8)  白石市都市整備基金
(9)  白石市減債基金
(10)  白石市長寿社会対策基金
(11)  白石市武家屋敷管理基金
(12)  白石市松竹梅福祉基金
(13)  白石市21世紀の田園文化創造基金
(14)  白石市国際交流基金
(15)  白石市介護保険事業財政調整基金
(16)  白石市スキー場基金
(17)  白石城基金
(18)  白石市子育て応援住宅基金
(19)  白石市庁舎建設基金
(20)    白石市森林環境譲与税基金
(21)    しろいしSun Park基金
(22)    白石市企業版ふるさと納税基金
(23)  白石みらい教育基金

2.審査の期間

 令和6年7月10日から令和6年8月9日まで

3.審査の方法

 令和5年度白石市各会計歳入歳出決算の審査は、市長から送付された各会計歳入歳出決算書、同事項別明細書、実質収支に関する調書および財産に関する調書並びに基金の運用状況について、関係諸帳簿および証拠書類を照合し、また、関係職員の説明を聴取するなどにより審査した。 

4.審査の結果

​ 審査に付された各会計決算書等は、いずれも関係法令に準拠して調製されており、それらの計数は正確であり、その内容及び予算執行状況も適正であると認めた。

5.審査のまとめ(決算等の概要および意見)

 令和5年度における一般会計では、歳入総額が前年度より1億8,604万4千余円多い200億3,528万4千余円、歳出総額が前年度より1億7,003万6千余円少ない191億213万9千余円となった。
 歳入歳出差引額は9億3,314万4千余円、実質収支額は5億3,767万3千余円となった。この実質収支から前年度実質収支を差し引いた単年度収支は1億3,823万5千余円となり、これに実質的な黒字要素である財政調整基金への積立金1億2,218万9千余円を加え、積立金取り崩し額8億9,200万円を差し引いた実質単年度収支額は6億3,157万5千余円の赤字計上となった。

 歳入の状況を財源別に見ると、「自主財源」は85億4,108万3千余円(構成比率42.63%)で、前年度と比べ、5億4,673万4千余円増加し、「依存財源」は、114億9,420万1千余円(構成比率57.37%)で前年度と比べ、3億6,068万9千余円減少した。これは自主財源において、繰入金が17億5,468万余円(310.07%)増加した一方、依存財源において国庫支出金が4億4,561万1千余円(12.79%)減少したことが大きな要因と思われる。

 収入未済額については、前年度より639万5千余円多い2億7,332万8千余円となっている。その中で住宅使用料は、前年度より504万8千余円増加し、調定額に対する収入未済額の割合が38.5%となっていることが懸念される。
 不納欠損額については、前年度より2,263万5千余円少ない2,013万2千余円となっている。これは固定資産税で1,651万3千余円などの減少によるものである。
 負担の公平・公正の原則に立ち、滞納の実態に応じた厳正かつ積極的な措置と不納欠損にいたるまでの更なる徴収努力をし、未収金の早期回収に努めるとともに、不納欠損処分の慎重かつ厳正な取り扱いを望むものである。

 歳出の状況を性質別に前年度と比較すると、義務的経費は6億8,464万余円増加し74億1,255万9千余円(構成比率38.81%)、投資的経費は6億4,116万6千余円増加し27億4,413万4千余円(構成比率14.37%)、その他の経費は14億9,584万2千余円減少し89億4,544万7千余円(構成比率46.82%)となっている。義務的経費の増加は、白石市外二町組合解散に伴う退職手当組合負担金など人件費4億5,263万2千余円(16.84%)の増加、また、投資的経費の増加は橋梁長寿命化対策事業費など普通建設事業費3億1,936万1千余円(24.32%)の増加と、ホワイトキューブ災害復旧事業など災害復旧事業費3億2,180万5千余円(40.74%)の増加が大きな要因と思われる。

 また、款別比較では、増加した主なものは土木費が5億6,841万9千余円(38.17%)、災害復旧費が3億2,976万4千余円(43.02%)などで、減少した主なものは総務費が9億3,130万9千余円(24.65%)、商工費が2億1,841万8千余円(26.08%)などとなっている。
 なお、衛生費のうち病院事業会計への繰出額は、20億8,906万2千余円となっているが、この中には、令和3年度に組合で借り入れを行った特別減収対策企業債(コロナ債)の繰上償還金8億7,170万円が含まれている。

 歳出の執行率は87.79%と、前年度より5.79ポイント減少している。これは、土木費や災害復旧費などにおける翌年度繰越額が前年度より13億4,870万5千余円増加したことが要因であるが、適正な予算編成により、概ね計画的に執行されていると認められる。

 次に特別会計では、国民健康保険特別会計・介護保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計の全体で当年度の歳入総額が、前年度より2,747万3千余円減少し82億8,923万1千余円、歳出総額が4,136万6千余円減少し79億963万9千余円となった。また、実質収支額は、前年度より1,389万3千余円増加し3億7,959万1千余円となった。

 収入未済額は、特別会計全体で前年度より1,828万余円減少し1億5,597万余円となっており、また不納欠損額は、前年度より1,375万7千余円減少し1,809万4千余円となっている。
 特別会計については、その設立の主旨に則して概ね適正に運営されていると認められるが、今後も更なる予算執行の適正化と滞納の実態に応じた未収金の早期回収に努められるよう望むものである。

 財産については、概ね適正に表示・整理されているが、公有財産等の調査及び確認を行うとともに、普通財産の貸付・売却を進め、自主財源の確保と維持管理費の低減を図るよう望むものである。

 基金は、年度末現在高は、95億3,798万4千余円で、前年度より18億2,623万1千余円減少しているが、それぞれの設置目的に則して運用・管理されていると認められる。

 一般会計の市債現在高は、108億5,899万6千余円で、前年度と比べ1億4,237万9千余円増加している。

 以上の歳入歳出決算状況に基づき、一般会計の主要な財政分析指標を見てみると、財政力の強弱を示す「財政力指数」は0.491で前年度とほぼ同値であるが、財政構造の弾力性を示す「経常収支比率」は92.9%で前年度(92.4%)と比べると0.5ポイント、「公債費比率」は5.4%で前年度(4.7%)と比べ0.7ポイント、いずれも上昇しているが、過去10年間の平均値と比べると同程度であることから、令和5年度の分析指標についても、おおむね健全な財政状況を示していると思われる。また、将来の支出義務の負担度合いを示す「将来にわたる財政負担」は、債務負担行為による翌年度以降の支出予定額の増加により213.2%と前年度(144.6%)と比べ68.6ポイントと大きく上昇しているが、この主な要因は、令和5年度に「PFIによる道の駅・防災公園整備運営事業」の債務負担行為を設定したことである。

 令和5年度の財政状況は前述のとおり、一般会計において実質単年度収支額は6億3,157万5千余円の赤字となり、2年連続での赤字計上となった。各種財政分析指標からみても厳しい財政運営だったことが窺える。そして、財政調整基金など主要3基金でおよそ19億円減少したことは憂慮すべきことである。持続可能な財政運営に留意しつつ、企業誘致や子育て支援などの将来に向けた施策に積極的に取り組むよう望むものである。
 主要事業としては、(仮称)白石中央スマートインターチェンジの周辺整備事業において、道の駅の造成工事に着手したほか、道の駅・防災公園の整備運営事業者(PFI事業者)の選定に向けた準備が行われており、民間事業者の創意工夫により、さらなる効率的かつ効果的な事業の推進に大いに期待するものである。
 また、令和5年度は、公立刈田綜合病院が市立病院として指定管理者制度を導入し、新たなスタートを切ったことや、小中一貫の学びの多様化学校「白石きぼう学園」の開校など節目の年であった。これらの事業に代表されるように、第六次白石市総合計画に掲げる目標の実現に向けて着実な進展が図られていると思われる。
 今後も、人口減少・少子高齢化に伴う厳しい財政運営となることも想定されるが、第六次総合計画の更なる推進のためにも、業務の効率化や経費の節減・合理化、行政事務のDXなど、選択と集中によりメリハリのあるそして効率的な行財政運営を図られることを望むものである。